自衛隊 中東派遣
1月3日にイラン革命軍ソレイマーニ司令官がアメリカ軍によって爆殺されてから一週間が経ち、11日に日本も海上自衛隊所属のP3C哨戒機が那覇空港を発ちました。
派遣の決定に対して市民からは、
海上自衛隊のP3C哨戒機が中東海域へ出発したことを受け、派遣に反対する市民らが十一日、東京都内をデモ行進し、防衛省前で「中東に哨戒機を送るな」「イラン包囲網に参加するな」と抗議の声を上げた
と批判がされています。
自分も左派であり、基本スタンスとして戦争反対なのですが、今回の派遣は致し方ないものなのかなと思います。というのも、日本をはじめ各国が海上戦力を保有する理由はシーレーンの防衛です。海軍戦略家のアルフレッド・マハンも海軍の存在理由は商船を保護することであると言います。
しかし今回の派遣では護衛艦たかなみ1隻だけで、武器を用いての防護は日本籍船だけに限られています。これでは派遣した意味があるのか疑問が残ります
。
日本の輸入依存率は非常に高く、原油はほぼ全量が輸入依存であり、そのうち中東が占める割合は9~8割です。中東エリアの情勢が悪化した場合、石油産出量は減少し、日本の輸入量も減少します。さらに今回の派遣での防護は日本船籍のみというくくりですので、日本商船隊の9割を占める外国籍船は防護の対象となりません。
今回の派遣は効果が曖昧でそれほどの攻撃力を持たないことから「やってますけど本気ではありませんから攻撃しないでねー」的なニュアンスが強い政治的なものなのかなと考えられますが、個人的には派遣するからにはより実行力を持った形でないといけないのではないかと思います。
海軍の役割が商船保護の話は講談社各術文庫版で述べられていることは確認しました。
7章でマハンの海戦論がまとめられています。