セックスコーチ
前回ソビエト連邦を基にしたゲームの話題を書きましたが、ソ連に関連した面白い記事を見つけたので備忘録として少し書いていきます。
セックスコーチというとなんだかAVや成人向け漫画のような設定かと思いますが、ロシアではこの取り組みが真面目に行われているようです。
ソ連時代には共産主義のイデオロギーに基づいた政治が行われており、ソ連の目指す共産主義社会では家族や性別といった概念が重要ではないとされていました。イデオロギーの支柱となったマルクスは共産主義社会へと至る道程である資本主義社会に関して
すなわち近代的工業が発展すればするほど、男子の労働は、ますます婦人(および児童)の労働によって押しのけられる。性や年齢の際は、労働者階級にとっては、もはや社会的重要さをもたない。『共産党宣言』p49
としています。
ソ連は建国初期から女性を家事労働から解放し、新たな労働者として別の労働に従事可能にしています。発達した近代的工業では男女の性別というのは使う道具の差異だけで、本質的には同じであるとしています。
1991年にソ連が崩壊すると、官能的な映画やビデオから、きわどい写真を掲載した雑誌や大衆紙の広告に至るまで、性産業が一気に活気づいた
これはグッバイ、レーニンの序盤でベルリンの壁崩壊後の変化として主人公のアレックスがナレーションを入れていますね。資本主義的文化の流入によって性差が生じたというのはマルクスが指摘していた資本主義社会とは異なっており、まだ近代的工業が発展しきっていないのかもしれません。また現代の日本でも女性は働くことと家事を求められており、マルクスの主張が正しいとすれば日本は近代的工業が充分に発達していないといえます。